小さい頃可愛すぎて「天使」と呼ばれるダウン症児だが、10歳を過ぎて小学校を卒業する頃になると…当然ながら、彼らにも思春期がやってくる。
もちろん個人差は大きく、穏やかなままに過ぎる人もいるが、ちゃんと疾風怒濤の時期に突入する人だっている。ダウン症だからって、いつまでも「ダウンちゃん」なわけはないのだ。
スマイル21の初期メンバーは、今まさに思春期世代。彼らが生まれた2000年代初めは障害者をとりまく法律と社会の認識が大きく変化した時期で、「養護学校」と呼ばれていたものが「特別支援学校」になり、「放課後等デイサービス」制度の誕生で下校後の生活にも選択肢が増えた。特別支援学校ばかりでなく学区の市立校に進むケースも増え始め、子どもたちはそれぞれにのびのびと育って、十代を迎えた。
親世代は経験してこなかった社会を、スマイル21の子どもたちは生きている。彼らが体験してきたこと・考えていることは、当然だが、親の(古い)思い込みを超えているだろう。
多様性の時代、彼らは社会の中でどんな大人になり、どんな生活を営んでいくのだろうか。何にしても、若き彼ら自身の人生を、年寄りたちがジャマしないようにしなきゃ・・・と、昭和生まれの親は思うのである。