2026年5月9日土曜日

家族のきもち 〜 就学前の進路編

 今、娘は6歳。2人の兄を含む大家族で、毎日賑やかに楽しく過ごしています。誕生直後は、こんな穏やかな生活を送れるようになるとは考えてもみませんでした。

娘は我が家の待望の姫として、産声を上げました。娘の元気な産声は、それだけで私に最高の喜びをもたらしてくれました。それが一転、翌日には主治医より「心疾患があり、ダウン症の可能性も否定できない」と告げられました。

幸いにも2人の兄が通っていた幼稚園は、障害児を積極的に受け入れていましたし、娘の入園に関しても前向きに検討してくださいました。しかし保育園や、市の児童発達支援施設への通所など他の選択肢もあり、就学までの貴重な時間を娘がどこで過ごすのが最良なのか、悩みに悩みました。

「お宅のお子さんは◯◯だから△△が一番!」と、専門家から言われることを期待していましたが、今になって思えば、娘のことを一番に理解していたのは紛れもなく母親の私だったはずです。最終的には、児童発達支援施設を経て幼稚園へ、という道を選びました。

幼稚園では、何事もスローペースではありますが、全ての課題・行事に、他の園児と同様に参加させてくださいます。先生やお友達の温かい眼差しの中で、着実に成長している娘を見ていると「この環境で本当に良かった」と心から思います。そして、ある先生から言われた言葉を改めて思い出します。

「親が考えて選んだ道に、間違いはないから」

2026年3月15日日曜日

家族のきもち 〜 仲良くしようね編

 長い間、赤ちゃんを待ち望んでいたパパとママを選んで、やってきてくれたKちゃん。とっても嬉しかったけれど、生まれてきたKちゃんにはいろんな合併症があると聞かされ、とても心配で、ママは毎日、泣いていました。

Kちゃんには生まれつきの心臓病があり、すぐに手術をしたほうがいいと告げられました。その後、ミルクを自力で飲めるようになるまで病院で過ごし、生後2ヶ月でやっと退院でき、パパとママと3人の生活がスタートしました。

Kちゃんは、私たちにとって初めての子供です。何もかも初めてづくしでした。「ダウン症」という意識がいつもどこかにあって、子育てに不安・心配だらけで、楽しいとはなかなか思えませんでした。

そんな私を元気にさせてくれたのが、同じダウン症のある仲間のママさんたちでした。うちの子だけ・・・なんて思っていたので、「こんなにたくさんいるんだ」って知って、みなさんとても優しく明るく前向きで、同じ悩み、分かってもらえると思えてすごく楽になりました。

Kちゃんは1歳の時、白血病になりました。半年間の入院で抗がん剤治療を頑張りました。体調が良くなるまで、療育は受けられず不安でしたが、療育を再開すると、少しずつ成長が見られ、2歳でひとり歩きを始めました。食事は、形のあるものを口にはしないので、5歳の今もペーストの形状です。スプーンを手で持ち、自分で食べるようになったのも、ごく最近です。でも、ママはそれだけでも嬉しいのです。

Kちゃんはとても音楽が好きで、毎日聴いています。歌っています。踊っています。楽器にも興味があり、音楽教室にも通い始めました。何か打ち込めることが見つかるといいなと思います。言葉はまだまだ喃語ですが、たくさん喋り、歌い、なんとなく言葉になってくれればいいかなーと思っているママも、この5年間で成長できた気がします。

Kちゃん、生まれてきてくれて、本当にありがとう。これからも仲良くしようね。

Kさんは赤ちゃんの頃から
音程バッチリだった、天才です




2026年3月2日月曜日

家族のきもち 〜 新世界編

私は、自宅で赤ちゃんを産みました。それくらい、お腹の赤ちゃんは、順調に経過をたどれていたし、ひたむきであったし、4時間を切る安産をくれました。

この赤ちゃんの出生は、全く誰もが想像し得なかった、わが家にとって新世界の始まりでした。それは、おそらく誰にでも、ひょんなことから始まります。決して、特別なことではなく、いつでもどこにでも起こることです。今まで無意識に当たり前と思っていたことが、そうでないのです。私は、昨日までの価値観が一変する、という体験をしました。

喜怒哀楽、どんな感情も、素直に正直に他者へさらけ出すことは、実は、なかなかできません。人は、生きていくのに、自分を守るために、鎧や面をかぶってしまうことも多いものです。スマイル21の子たちは、それらを解放させる力を持っています。

とにかく21トリソミーの子たちは、特に小さいうちは身体が弱いようですが、意志が強いのだろうなと肌で感じます。彼らは、繕ったり装ったりしないです。自分をしっかり生きています。怒っている子は怒っている絵を描けます。淡色や原色、その時に合った感情に合わせて色を選んで、好き好きに、自由にのびやかに表現しているのを見て、私は感動しました。

我が子も、そばにいて、ひたむきに生きたいと強く思っている節を感じます。だから、私やこの子、家族に、天から与えられた課題に一緒に向き合って、純粋に生を全うしたいです。

迷いなく筆が走ります。それはそれは見事



2026年2月27日金曜日

家族のきもち 〜 いい男編

 Tちゃんは一言で言うと、面白い!イエス・ノーの意思表示がハッキリとしていて、時に融通がきかない、頑固な性格。

怒りっぽいし、ちょっと難しい感じ。でもその一方で優しくて、賢くて、頑張り屋さんで、気が利いて、いい男である。Tちゃんをよく知る人からはジェントルマンですよねって言われるほどだ。

この子が産まれた時には、こんな日が来るとは想像もつかなかったな(笑)今はTちゃんがいない生活は考えられない。

Tちゃんは、毎朝8時30分にスクールバスに乗り、放課後はデイサービスに行くため、帰宅は18時である。デイサービスが大好きで、特に土曜日は長い時間遊べるし、大好きなお弁当を買いに出掛けて、みんなと食べられるので喜んでいる。決して愛想がいい方ではないが、通い慣れた場所、慣れ親しんだ人には、自然体の自分を出せているようで、下級生のお世話をしたり、一緒におもちゃで仲良く遊んだりしているようだ。TちゃんにはTちゃんの居場所がちゃんとあることに、親として嬉しい気持ちになる。

Tちゃんが産まれた時、私はショックで悲しくてたくさん泣いた。でも、今となっては、全く悲観することはない。Tちゃんは全然可哀想ではない。好きなものを食べて、大好きなアニメやゲームをとことん楽しんで、よく眠る。そんなTちゃんを見ていると、幸せそうに見えるからだ。できないこと、苦手なことはあるけれど、それはみんな同じ。

これからもTちゃんの成長を、家族みんなで楽しみにしている。


Tさんはクロスステッチが得意


2025年9月27日土曜日

就活!

今年18歳になった我が家の息子、支援学校の高等部3年生。卒後に利用する作業所(福祉事業所)探しも佳境です。

高等部では、地域の福祉事業所へ何度も見学や実習に行かせてもらい、本人に合う行き先を探してゆきますが、事業所側にも決して余裕があるわけではなく、本人が通勤できるエリア内で運よく空きがあるところを求めてハラハラ綱渡りというのが現実 (~_~;)

日本の少子高齢化・人手不足の影響は、福祉の現場にもそのまま及んできているので、事業所自体が末長く安定して存続してくれるかどうかも、不透明な時代です。あれこれ考え始めると、なんとも心許ない気分になってしまいますが・・・

肝心の息子本人はといえば、ここまでの積み上げを通して「働く」ことへの理解がじわじわ深まってきたか、2学期の実習では作業所の職員さんたちを驚かせるくらい、目的意識を持って頑張っていたようです。もちろん、職員さんや先輩利用者さんたちが暖かく迎え入れ、応援してくださったからこそのこと。信頼する担任の先生にいいとこ見せたい、みたいな気持ちもあったかな?

ダウン症の人は童顔で小柄で、見た目どうしても幼く見えますが、高3男子、当然ながら思春期真っ只中です。母親なんて特にウザい。元々おしゃべりが得意ではないし、実習先ではどんなことをしたか・どんな気持ちなのか等、親に詳しく教えてくれることはありませんが、学校や実習先での彼は、親が見ている彼とはきっとずいぶん違うのだろうと思います。

卒後の進路は運次第なところもありますが、結局は、彼本人が先生や支援者とどんな関わり方をしてきたかで決まっていくのでしょう。ハラハラしながら天命を待つ秋です。

カフェ実習 カトラリーをていねいに拭きます


2025年6月23日月曜日

スマイル21のおしゃべり会

月に一度、多摩市の某保育園のお部屋をお借りして、お喋り会を開催しています。

初めの頃はみんなまだ小さくて親子連れだったのが、だんだん子供も大きくなって、連れてくるのが大変になってきたり、お留守番したいという子もでてきて、最近はママだけの参加も多くなってきたお喋り会です。

子供の進路も今は選択肢が多く、それぞれの情報共有もしていますが、雑談も多く、みなさんの気分転換になってるのかなと思います。

毎月同じ顔ぶれが集まることが多いのですが、お久しぶりに来てくれる方もいて、新しいお話しが聞けて盛り上がってしまいます。

お喋り会を開催してくれてるメンバーがいつでもみなさんをお待ちしていますから、新規の方もお久しぶりの方でもどうぞお気楽にお顔を見せにきてくださいね。

そんなあったかい私たちの居場所があることが素敵じゃないかと思っています。


もう20年以上お世話になっている、地域の保育園
すべてのこどもと親のために、温かい場を提供し続けてくださる
スーパー保育士のお二人に感謝!


2025年5月3日土曜日

わりと頑張ってきた

春は何かと変化が大きい時です。若いメンバーが多いスマイル21では、なんといっても小学校に上がる前の年の「就学相談」が大きなトピックになります。

障害の有無に関係なく、就学を来年度に控えた子どもには、市から居住地の学区の小学校名が書かれた書類が送られてきます。生まれつきの障害があるといっても、ダウン症の子どもたちには自動的に特別な学校があてがわれる訳ではないのです。しかし今のところスマイル21では、知的障害児に特化した教育を行なうために東京都が設置している「特別支援学校」が主な就学先となっています。

障害者差別解消法が施行され、もちろん市立学校もこの法律のもとにありますが、教育環境の調整・改良はあまり進んでおらず、障害を持つ子どもが学区の小学校へ入学し教育を受けるには、保護者側が積極的に工夫を続けなければ(特に通常学級では)成り立ちません。

とはいえ、スマイル21が発足した15年ほど前には市立の小・中学校に通うダウン症児がゼロだった多摩市も、今では常に複数人が在籍する時代となりました。この流れと同時に、学童保育の受け入れ枠も、かつては障害のない子どもと同じ基準しか設けられていなかったのが、障害児の実情に合わせて調整され、小6まで利用できる子どもが増えました。

こういった変化は、ただ黙って待っていてもたらされたわけではなく、スマイル21の親たちが直接市に意見し、交渉を続けた結果、実現したことも少なくありません。子どもは毎年成長してしまうので、なんとなく過ごしていればなんとなく終わってしまう学齢期ですが、より広く深く世の中と関わらせてくれるチャンスを、ダウン症の子どもが親たちに与えてくれます。振り返ってみれば、なんやかんや闘ってきた15年でした。

草を分け入り高みを目指すよ(多摩川べり)